想定の範囲内(H17/8))
 ライブドアの堀江氏がよく口にした言葉に「想定の範囲内」というのがあります。ご存じの方も多いでしょう。
 「想定の範囲内」という言葉は、堀江氏が将棋の喩えをよく使っていたことの延長で出てきた事柄と思います。将棋で相手がどういう風に指すのかを読まなくては勝負は勝てません。相手がどうでるかを読んでいるという事を言いたかったのでしょう。逆に色々な手を読まれている相手側としては一般の想像を超える「奇手」を指さないと勝てない場合もあるでしょう。そういった駆け引きが将棋ではありますが、その際の事を言いたいときの言葉だと理解しています。
 さて、テレビでは「義経」が放映されていて、一ノ谷の合戦では義経の「ひよどり越え」による奇襲戦法で平家に勝つ場面を見ました。急な谷を駆け下りてくるはずがないと安心していたために慌てて平家は大崩になります。平家にとってはまさに「想定の範囲外」であったに違い有りません。
 ところで、最近「東京での震度5の地震」であるとか「ロンドンでの地下鉄爆破」などの出来事が起きています。しかし、これらは、よく考えると「想定の範囲外」とも言い切れません。それは、東京での地震は、日本が地震国であることを思えば容易に考えられる事ですし、地下鉄のテロも日本でのオームの事件が既にあったわけですから、考えられないことではありません。むしろ、以前の阪神大震災こそ想定の範囲外と言えたかもしれません。
 こうした、「想定の範囲外」の事態が起きた場合、何も準備がなかったりするため通常よりも被害が大きくなったりパニックが起きて二次災害が起きたりします。まさに一ノ谷の平家の状態です。
 この「想定の範囲外」の事態が起きてしまうことは防ぎようがないかもしれませんが、堀江氏のようにかなり広範囲に起きる可能性を探ることは可能ですし、また重要だと思います。そして、先のテロの例のように既に何かの事件がよその国で起こったとかいった場合はより真剣にそういった事態をとらえることでそういった事態も「想定の範囲内」だと言えるようになると思います。
 人間は、自分にとって嫌な事は考えたくないという本能があると思います。なったらなった時だとか言って結局そういった嫌な事態は考えません。リスクを防ぐのは大変難しい事ではありますが、こうした事態が起こりうるとしっかりと考えるということで防ぐことはかなり可能です。
 自分にとって嫌なこと−「災害」、「けがや病気」、「ライバル店の出現」、「業態の変化」、「売上の減少」など、防ぐことは難しいですがそうした場合に自分はどうするのか、今できることは何かを想定しておく事が何よりも重要だと思います。冷静な時に手を打っておけばむしろピンチがビジネスチャンスになるかもしれません。