所得番付発表に思う(H17/06)
 先日、平成16年分の所得番付が発表になりました。ごらんになった方も多いと思います。個人情報保護法が施行されている現在、この制度はどうかと思います(実際、来年は廃止されるとの声があります。)が、この顔ぶれにも世相が現れるなあと思った次第です。
 昭和30年頃は、炭鉱をやっていた人が上位を占めていたといいます。その後、松下幸之助氏や大正製薬の上原氏などの高度経済成長の波に乗った経営者が上位を占めるようになりました。また、その後は土地長者が顔を連ねます。こういったように、ざっと見てもその時代の背景がわかる気がします。
 では、今年の番付にはどんな特徴があるのでしょうか?何か特色がないように思います。話題の堀江氏とかが1位とかいうのなら、わかりやすいと思うのですが。強いて言えば1位の投資顧問会社の人でしょうか。私は、個人的には「投資ファンド」はあんなに手数料を取るんだから儲からないのは当たり前だ、と思いました。以前1回だけ10万円出して、ファンドを買ったことがあります。すぐ、半額になりました。2度とやるもんかと思いました。損をしても高い手数料をファンドマネージャーに支払うのですから余程でないと儲かりません。それはさておき、なぜ堀江氏とかは1位にならないのでしょうか。私は、ならないように工夫しているからだと思います。本当の金持ちは、何とか金持ちに見えないように努力していると思うからです。
確かに、あの番付に出ることであの投資顧問会社は宣伝になるでしょうがそれ以外、あまりメリットもありません。
 お金をたくさん儲けて税金をたくさん払うといったことが誇りであった時代があったと思います。それは、松下幸之助氏あたりの時代ではないでしょうか。自分も儲けるけど他の人も税金を払うことで幸せにしますよ。といったメッセージもあり、そういうりっぱな人を国民も素直に「尊敬」することができました。今は、どうでしょうか?「尊敬」ではなくて、うらやましいと「嫉妬」される対象になったという事ができないでしょうか。今の時代、税金は昔のような富の再配分というような意義を失い、まるで儲けたことが悪い事であるかのように懲罰的な様相を呈しています。ああいうお金持ちからはもっと取ってやればいいんだという感情がどこかにあり、中国が日本を悪者にしてガス抜きを図るように日本という国でも金持ちはいじめられる存在になってきている気がします。だから、賢い人はその対象にならないように工夫します。なってもメリットがあまりにも無いからです。
 その昔税金を15円以上払っている人だけに選挙権が認められていて、何とかたくさん払いたい人もいたといいます。大正製薬の上原氏は、生前「税金をこんなに払えるなんて幸せだ」といった発言をされていました。本来はこの考え方こそ褒められるべきでしょう。しかし、現実には亡くなられた後の相続時、税の支払いで遺族は大変だったというような事を新聞で読みました。今はこういう時代ではないという事を実感しています。