中小企業のキャッシュフロー経営
*キャッシュフロー経営とは?
 最近、キャッシュフロー経営という言葉を頻繁に聞くようになりました。土地が絶対的な資産として君臨していた時代が去り、アメリカの影響を強く受けた日本の会計では上場会社がキャッシュフロー計算書の提出を義務づけられたのを受け急にキャッシュフロー経営が重要というようになったわけです。
 ただ、ついこの間まで土地は絶対だとどの本にも書いてあった訳でそれを信じて経営をしてきた多くの企業が破綻したのを見て冷静にこのキャッシュフロー経営を考えてみなくてはいけません。 キャッシュフロー経営は、簡単に言えば現金を多く稼ぐ企業がいい企業であり、売上げよりも保有する現金(ないしはそれを獲得する能力)に企業の価値を見いだす立場をいいます。
 これが重要であることは、銀行の貸し渋りや黒字倒産を防ぐためにも今の時代では重要であることはもちろんです。
 キャッシュフロー経営では、キャッシュの有り高を重視するので掛け売上げよりは現金売上げ優先、在庫を少量にする、回収期間を短くするなど考えようによっては当たり前の事が基本的に重要です。しかし、中小企業にとって事は単純ではありません。それは、上場企業とは異なり常に税金の問題を並列的に考えなくてはいけないからです。
例えば、売上げ増加の為、機械(耐用年数4年)を買うとして次の三とおりを考えてみましょう。
 
1.現金で買う
 支出は1回ですから、その支払いの年はキャッシュフローが減少しますが、経費は減価償却費(支払った金額の約1/4)のみでお金が無いわりに経費は発生せず大きい黒字になります。
 逆に翌年からはキャッシュフローは無いのに経費(減価償却費)が増加します。
 従って、1年目はキャッシュフローが厳しいのに経費が少ないため税金の支出も覚悟しなくてはいけません。
2.4年で借り入れる
 支出と経費の発生が同じになりわかりやすい形になります。
3.6年で借り入れる
 経費は1年で約1/4発生するのに対し、支払いは1/6なのでキャッシュが残り、お金が残っているわりに経費が多くでることになります。ただ、4年目で本当に壊れたりするとその時点以降資金繰りが苦しくなります。
*私の考えるキャッシュフロー経営
1.お金があっても以前ほど簡単に運用ができません。今たくさんあるかどうかという事より、「お金を借りたいとき借りられるか」が重要なのではないでしょうか。その為には、自分の会社の格付けや信用が重要です。
2.銀行は裏切るもの
破綻したそごうなどでも、銀行が無理貸しした結果と考えることもできます。ただそうはいっても、銀行が責任を取ってくれるわけではないので注意が必要です。銀行は、ダメと思えば簡単に企業を見捨てるものです。
3.損益とのバランスを常に考える
経費となる保険料の支払いなどをストップすると、資金繰りは楽になる反面、経費の発生が無くなり、結果として税金が発生します。
4.単に流動資産が多いからいいというものではない
株や不動産が下落しその評価損を避けるという目的(対デフレ)からは、固定資産などを早めに売却するという考えもあり得ますが、それを突き詰めれば、仕入をして在庫を持つこともできなくなります。単にデフレだからというのでなく、どの程度収益を産む資産なのかを常に考えることが重要だと考えます。